日常的に起こるもの
日常生活において起こりやすい肌トラブル。環境要因や生活習慣などによって引き起こされることがおおい。
- 湿疹、アトピー性皮膚炎
皮膚の表面に炎症が起きている状態。赤い斑点(紅斑)が出たり、ブツブツとしたデキモノが出たりします。細菌、ハウスダスト、アレルギー物質、化学物質、花粉など、外部刺激に対して、皮膚の免疫システムが反応することで引き起こされます。免疫システムは、細菌や化学物質などを異物として認識し、体外に排出するための防衛反応を起こしますが、これが過剰に働いてしまうとアレルギー反応となって皮膚や体に変調が出てきます。
アトピー性皮膚炎は、肌のバリア機能や保湿力が低下することで肌がカサカサになったり、痒みや炎症が全身に広がってしまう症状です。痒みを伴う場合が多いため、掻き毟ることによって全身に広がったり、なかなか完治せずに慢性化しやすいのが特徴です。アトピー素子と呼ばれるアレルギー体質を持っていると、後天的な外部刺激などによってアトピー性皮膚炎になりやすいとされますが、詳しい原因についてはまだ解明されていないようです。アトピー性皮膚炎は角質層の水分低下によって肌が乾燥してしまっている状態なので、保湿クリームやワセリン(軟膏)で保湿力を高める治療法などが行われますが、慢性化してしまわないよう早めに皮膚科専門医への診療を勧めます。
- ニキビ、吹き出物
毛穴に皮脂が詰まり、皮脂を好物とするアクネ菌などの常在菌が繁殖して炎症を起こした状態。皮脂の過剰分泌が原因で、思春期や生理期などホルモンバランスが乱れる時期に増加します。また、ストレスによって男性ホルモンのテストステロンが分泌され、皮脂腺を刺激することでニキビになる場合もあります。
- 乾燥肌、敏感肌
乾燥肌は、肌表面(角質層)の水分量や皮脂分泌量が減少し、肌の保湿機能やバリア機能が低下してしまっている状態です。肌に潤いがないため、乾燥した砂漠のように皮膚がカサカサになります。また、外部刺激に対する抵抗力も弱まっているため、チクチクとした痛みを伴うこともあります(乾燥性敏感肌)。
- 肌荒れ
肌荒れという言葉はよく耳にしますが、「肌荒れ」という言葉自体には、具体性があまり感じられないように思います。肌荒れといっても、乾燥肌によるカサついた肌を肌荒れと呼んだり、アレルギー反応による皮膚炎なども肌荒れと呼ぶこともあるからです。まずはどんな症状が出ているのか、他のどの肌トラブルに近いのかなど、症状を絞り込んでみた方がよいです。
- 日焼け
日焼けは、有害な紫外線に対して皮膚を守るためにメラノサイトが反応し、表皮奥にメラニン色素を沈着させる黒化現象(サンタン)です。メラノサイトの働きについては遺伝による影響が大きく、人によってはヤケドのように赤く炎症(サンバーン)を起こして終わってしまう場合もあります。
表皮奥にできた色素沈着は、肌の新陳代謝(ターンオーバー)によって徐々に体外に排出されますが、日焼けのし過ぎであったり、加齢によって新陳代謝サイクルが遅れてしまうなどの原因で、色素沈着が消えずにシミやそばかす、黒ずみとなって残ってしまう場合があります。