グリチルリチン酸ジカリウム
甘草(グリチルリチン酸ジカリウム)
- 植物の紹介
カンゾウは漢字で「甘草」、英語では「Licorice」と書くマメ科の植物で、中国、ロシア、中央アジア、中近東、欧州などに自生する多年生植物です。
甘草は、薬用植物として世界中で利用されており、「生薬の王」とも称されています。その歴史は4,000年にわたるとされており、古代バビロニアのハムラビ法典に薬として記述されている、また、古代エジプトのツタンカーメン王の墓地から甘草が発掘されたなど、数々の逸話があります。日本には中国より渡来したと考えられ、正倉院にも生薬としての甘草が保存されています。
現在、甘草は漢方薬、外用薬、注射薬、点眼薬など医薬品としての利用に加え、甘味料としても広く調味料や菓子等の食品に配合されています。さらに、甘草の根に含まれる甘味成分であるグリチルリチン酸にカリウム塩を付加し、水溶性を高めたグリチルリチン酸ジカリウムは、優れた抗炎症作用を持ちながら、肌への刺激が少ない成分として、医薬部外品の薬用スキンケア製品、シャンプーや育毛剤、歯みがきなどの有効成分として、更には一般化粧品の配合成分として、現在市場で最も汎用されている成分の一つとなっています。
- グリチルリチン酸ジカリウムの主な作用・効果
・ 抗炎症、抗アレルギー作用
- アラキドン酸代謝経路阻害作用
- 肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用
(ヒアルロニダーゼ活性阻害作用)
・ 敏感肌症状改善作用
- NGF(神経成長因子)mRNA発現抑制作用
・ ヒトボランティア試験における化粧品塗布時の不快感
(スティンギング)抑制作用
(外原規グリチルリチン酸ジカリウム配合製剤にて実施)