乾燥と保湿 (基本)

乾燥の原因や、保湿のメカニズム、保湿アイテムなどを紹介します。肌の潤いを保つには、洗顔で必要以上に皮脂を落とし過ぎないことも大切です。清潔を保つバランスが難しいですよね。

 

乾燥肌の原因と対策について

乾燥肌と呼ばれる症状は、細分するといくつかの症状に分けられます。気候要因、生活要因、ストレス要因、年齢によるものなど、その原因も様々です。

 

乾燥肌の症状

  • 乾燥肌と呼ばれる症状については、具体的に以下のような症状が挙げられます。
  • 肌がカサカサする
  • 肌にヒビ割れや部分的なシワがある
  • 肌が痒(かゆ)い
  • 肌がピリピリと痛んだり、衣類がチクチクして不快感を覚える
  • 皮膚から白い粉のようなものが吹き出ている

 

乾燥肌と呼ばれる症状は、肌表面(角質層)の水分量や皮脂分泌量が減少し、肌の保湿機能やバリア機能が低下している状態です。乾燥肌になると肌のカサつきやヒビ割れのほか、痒みやピリピリとした痛み、衣類がチクチクするなどの症状を併発する場合があります。このように乾燥によって肌が外部刺激に対して敏感に反応する状態のことを、乾燥性敏感肌と呼んでいます

 

乾燥肌とは

乾燥肌とは、肌表面(角質層)の水分量や皮脂分泌量が減少することにより、肌の保湿機能やバリア機能が低下している状態です。乾燥肌は、これら保湿機能やバリア機能の低下によるほか、冬に空気が乾燥することで皮膚の水分が奪われて乾燥する気候要因なども関係しています。

 

皮脂分泌量の減少

皮膚内部には皮脂腺と呼ばれる皮脂を分泌する場所があり、皮脂が分泌されて肌表面に皮脂膜とよばれる膜を形成します。

 

皮脂膜はいわば私たちが本来持っている肌のバリア機能と呼べるものです。

  • 細菌やアレルギー物質など、外部からの脅威に対して肌を守る
  • 肌内部の水分が蒸発するのを防ぎ、保湿効果を高める
  • 肌表面に加わる刺激や圧力を緩和し、角質層が剥がれるのを防ぐ

皮脂膜には上記のような役割があります。皮脂膜の形成には皮脂腺から分泌される皮脂のほか、汗腺から出る汗や角質層に溜まった垢(アカ)、皮膚常在菌と呼ばれる皮膚に棲息している菌などの働きによって形成されています。

 

バランスが難しい
よく、肌を清潔にし過ぎるのも良くないという声を聞くかと思いますが、その理由は過剰に肌を清潔にしてしまうことでこれら皮膚常在菌が減少してしまい、常在菌の棲息バランスが崩れてしまうからです。皮膚常在菌は私たちの皮膚を守ってくれる大切なパートナーなので、過剰な洗浄や殺菌によって死滅させるのは良くありません。
かといって、お肌や毛穴を不衛生な状態にしておくと、皮脂を好物とするアクネ菌など常在菌の増殖を促してしまい、ニキビや吹き出物などの肌トラブルを引き起こしてしまう原因にもなってしまいます。手洗いや洗顔は皮膚の衛生を保つ上で必要なことですが、あまり過剰になりすぎないように気を付けましょう。

 

保湿のメカニズム

乾燥肌は、肌の保湿力が低下することを一因としています。保湿のメカニズムについて詳細を知りたい方は、下記リンク先で紹介しています。

 

乾燥肌の種類や主な原因

乾燥肌と呼ばれる症状は、細分するといくつかの症状に分けられます。気候要因、生活要因、ストレス要因、年齢によるものなど、その原因も様々です。ここでは乾燥肌の種類や、それを引き起こす主な原因について紹介したいと思います。

 

乾皮症(皮脂欠乏症)

皮脂や汗の分泌量が減少することで皮脂膜の形成が阻害され、皮膚の乾燥が引き起こされます。皮膚がカサカサになるほか、白い粉のようなものが吹き出たり、症状の悪化によっては肌にヒビ割れが起こったり、肌表面に鱗(うろこ)のような鱗屑(りんせつ)を生じることがあります。乾皮症は、痒(かゆ)みを伴うことが多いため、ついつい掻きむしってしまいたくなります。掻きむしることで湿疹になったり、刺激によって角質が厚くなり慢性化することもあります。

 

子供や高齢者に多い
乾皮症は皮脂分泌の低下を要因としています。皮脂分泌はアンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンが関係していますが、子供の場合、このアンドロゲンによる皮脂分泌作用が弱く、皮脂不足による乾燥を引き起こすとされます。高齢者の場合、加齢によってアンドロゲンによる皮脂分泌作用が衰えることで乾皮症になりやすいとされます。

 

乾燥性敏感肌

乾燥によるカサつきとともに、痒みやピリピリとした痛み、衣類との摩擦でチクチクする感覚など、肌が外部刺激に対して敏感になっている状態をいいます。乾燥肌でよく起こりやすいのはこの症状で、肌表面(角質層)の潤いや水分量が低下し、外部刺激に対する肌のバリア機能が阻害されているために、刺激や痛みを感じやすい敏感肌になっているのです。

 

生活環境や肌ストレスなどにより、保湿力が低下している状態
乾燥性敏感肌を引き起こす原因は様々あります。気候でいえば、日本の冬は太平洋側の空気が乾燥しやすく、それによって肌の水分蒸発が起こりやすい環境が生まれます。また、暖房エアコンを使用することでも室内空気が乾燥してしまいます。冬場に乾燥肌や乾燥性敏感肌を発症しやすいのは、これらの環境要因によるためです。また、先述のように過剰な洗顔やボディケアによって、肌表面の皮脂や角質層が薄くなり、肌のバリア機能が低下してしまうことでも引き起こされます。そのほか、睡眠不足やストレスによってホルモンバランスが乱れたり、無理なダイエットによる栄養不足によっても、肌から潤いや保湿力が奪われていきます。

 

加齢性乾燥肌(老人性乾燥肌)

年齢を重ねることで起こる弊害。保湿に必要な皮脂分泌量が減少したり、肌の弾力や潤いを保っている角質細胞間脂質が減少することにより、肌の乾燥や保湿力の低下が引き起こされます。そのほか、加齢による影響は、肌の新陳代謝サイクルが遅れたり、シワやたるみなどの肌トラブルを発生させる原因にもなります。
加齢による生理現象
加齢性乾燥肌(老人性乾燥肌)は加齢による生理現象なので仕方がないことですが、肌の新陳代謝を高めたり、保湿に心掛けることで、肌年齢を実年齢よりも若くさせることができます。

 

乾燥肌の予防や対策方法

乾燥肌の予防や対策方法についてまとめました。乾燥肌になる原因は様々です。生活環境の改善、保湿アイテム、日頃から心掛けることなどを紹介します。
乾燥肌を予防しよう!

 

保湿クリームやワセリン(軟膏)で保湿力を高める

乾燥肌を防ぐアイテムの中で即効性と高い効果を見込めるのが、保湿クリームやワセリン(軟膏)を肌に塗ることによる保湿ケアです。乾燥肌は、皮脂膜など肌のバリア機能が低下している状態です。保湿クリームやワセリン(軟膏)で肌表面をコーティング保護していあげることで、外部刺激や細菌の侵入を防ぎ、また皮膚内部の水分が蒸発してしまうのを防いでくれます。保湿クリームやワセリン(軟膏)は、毎日の入浴後や外出前に患部に塗るようにしましょう。持ち運べるタイプのものは、出先でも気軽に保湿ケアができるので便利です。

 

保湿クリーム
保湿クリームには、顔用タイプ、手やかかとの肌荒れ用タイプ、全身用タイプなどがあります。べたつきが少なく、自然な塗り心地が魅力です。

 

ワセリン(軟膏)
ワセリン(軟膏)は油を主成分とする塗り薬です。保湿力に関してかなりの効果を見込むことができ、乾燥肌や敏感肌のほか、アトピー性皮膚炎を持たれている方にも広く愛用されています。高い保湿力が魅力ですが、べっとりとした質感が気になる方も居るかもしれません。保湿クリームを選ぶかワセリン(軟膏)を選ぶかは好みが分かれそうですが、実際に使用してみて比較判断するとよいでしょう。

 

加湿器で室内の湿度をコントロールする

冬場は空気が乾燥しやすく、また暖房エアコンによる湿度低下にも注意したいところです。室内の湿度をコントロールするには、加湿器を使用するのが効果的です。最適な室内湿度は60〜65%といわれており、50%を下回ると肌の乾燥に注意信号が灯ります。加湿器は湿度コントロールのほか、空気中のウイルスや細菌、ハウスダストなどを取り込んで綺麗な空気を循環してくれるので、健康的な生活を送るサポートをしてくれます。

 

保湿力を高めるアイテム いろいろ

保湿クリームやワセリン(軟膏)、加湿器のほか、保湿力を高めるアイテムについては、下記リンク先で紹介しています。

 

 

洗顔やボディケアの方法を見直す

適度な洗顔や毎日の入浴は、日中にかいた汗や皮膚に付着した皮脂汚れ、アカとなった古い角質を取り除いて肌を清潔に保つ良い習慣です。しかし、一日に何度も行う洗顔や、刺激の強い洗顔料を大量に使用することは、肌の保湿に必要な皮脂や皮膚常在菌などを洗い落としてしまい、肌のバリア機能を低下させてしまいます。洗顔の後に肌がザラザラ・ゴワゴワするような感覚がある場合、過剰な洗顔を行っている恐れがあるので注意が必要です。また、入浴時の体洗いも、過剰に力が入り過ぎていると表皮を痛めたり、水分保湿に必要な角質層まで削ぎ落してしまいます。
清潔にこだわり過ぎて肌への負担を強めてしまわないよう、心掛けましょう。

 

生活習慣を改める

偏った食生活、無理なダイエットによる栄養不足、不規則な生活習慣、睡眠不足、仕事によるストレスといったものは、肌の新陳代謝サイクルを乱してしまいます。人間の肌は成人の場合、おおよそ28日の周期で新しい細胞に生まれ変わっています。新陳代謝サイクルが乱れると、古く傷ついてしまった角質がなかなか新しい細胞に変わらず、保湿力の低下や外部刺激に対する抵抗力が落ちたままになってしまいます。
肌の新陳代謝サイクルを高めるポイントは以下のものです。

 

  • 規則正しい睡眠サイクル。
  • 睡眠の質。短くて回数の多い睡眠よりも、1回の長時間睡眠(6時間以上)が好ましい。
  • バランスの取れた食生活。緑黄色野菜やフルーツ、ビタミンのほか、納豆や豆腐、大豆などは基礎代謝を高めてくれる食品として知られています。
  • ストレスを極力溜め込まないようにする。

 

・・・・↓↓↓↓↓↓・・・・